当社のセラミック基板は、高放熱分野、高周波分野で開発品として各社でご採用いただいております。
具体的な用途としては、通信機器、ハイパワー照明機器、サーマルプリントヘッド、高温領域での評価基板等での採用事例がございます。
近年の傾向として、信頼性の向上、小型化のニーズが多くなっております。
その要求に対してはセラミック基板が必需となってきております。
他にも、有機樹脂では対応できない温度領域への代替、反射率を求める場合のアルミナセラミックの色調、メタル基板やアルミナセラッミクより放熱性に優れる窒化アルミニウム基材での生産などもご採用いただくきっかけの一つとなっております。
すべての製品でカスタム対応をしており、お客様の用途に応じて幅広い分野に応用することが可能です。
当社が提供するセラミック基板の特長
DCHC法(Direct Copper Hybrid Circuit)
- 当社のセラミック基板は、従来の厚膜法、薄膜法とは異なるDCHC法を採用しています。
- 独自の粗化方法とめっき技術により、セラミック基材全面に直接銅導体を形成することで、ファインパターンの形成を可能としています。
- 厚膜法によるパターン形成や、銀ペーストにも対応いたします。

99%銅被膜の形成
- 基材へ直接99%銅導体をめっき形成します。
- 薄膜法とは異なり、高抵抗の接続層は不要です。
- 導体厚みを自由にコントロールでき、大電流対応商品にも適応可能。(6~200μm、最大加工実績300μm)

ファインパターンの形成
- 基材全面に銅導体を形成しているため、回路形成にサブトラクティブ法を適用できます。
- 厚膜法で回路形成するよりファインパターンの形成が可能です。
Line(パターン幅) | Space(間隙幅) | パターン幅公差 |
---|---|---|
80μm |
80μm |
±10μm(実績値) |

少量生産、短納期対応
- セラミック基材は種類・板厚ともにラインナップは豊富です。
- 仕入れ枚数も少量から承っています。
- 当社標準材であれば常に社内在庫として確保しています。
- 最短で実働15日程度で製作いたします。(仕様により納期は変動します)
セラミック基材の特徴
高放熱性
- ベース(絶縁体)は主にアルミナセラミック(Al2O3)、窒化アルミニウム(ALN)です。
- 絶縁体の熱伝導率は約20~230W/m・kです。
- 熱抵抗は一般的な金属ベース基板を大きく上回ることが期待されます。
- 回路基板だけではなく、放熱板、補強板、定盤などにもご利用可能です。
高耐熱性
- アルミナ電極基板は260℃以上の耐熱を誇れる基板です。
高誘電率
- 99%アルミナセラミックは10.0±0.2(ε)もの高誘電率を有しています。
- 誘電正接が4~6×10-4と小さく、99%銅導体のため高周波伝送損失を大幅に低減できます。
【基材特性表(参考)】
項目名 | 単位 | アルミナセラミック | 窒化アルミニウム | |
---|---|---|---|---|
ベース(絶縁体) | - |
Al2O3 |
ALN |
|
基材色 | - |
白色 |
灰色 |
|
見掛密度 | g/㎤ |
3.7 |
3.3 |
|
3点曲げ強さ | MPa |
370 |
450 |
|
ヤング率 | GPa |
350 |
320 |
|
熱膨張係数 | 40-400℃ | ×10-6/K |
7.2 |
4.6 |
40-800℃ | 7.9 |
5.2 |
||
熱伝導率 | W/(m・K) |
24(20℃) |
180(25℃) |
|
比誘電率(1MHz) | - |
9.4 |
9.0 |
|
誘電正接(1MHz) | (×10-4) |
4 |
2 |
※各基材メーカーの特性表より抜粋し記載しています。詳細はお問い合わせください。
KDIのセラミック基板製作実績
放熱製品 | ハイパワーLED照明機器 深紫外(UV-A,B,C)照射機器 レーザー加工機器 |
---|---|
高周波移動体通信機器 | IoT通信機器 アンテナ・フィルター 電圧制御発振器(VCO) 温度補償水晶発振器(TCXO) |
衛星通信機器、高周波計測器 | ETC RFモジュール 基地局アンテナ 各種レーダー |
自動車製品 | 自動車制御部品 車載用LEDランプ |
電子部品 | ペルチェ素子 LED レーザーダイオード SiCパワー半導体 GANモジュール 圧電センサー 高温・加速・サイクル・鉛フリー実装などの評価試験 |