プリント基板の概要とセラミック基板メーカーの現状
今回の記事ではプリント基板の概要と、EV自動車には欠かせないセラミック基板の製造方法や製造メーカーについてのお話をして参ります。
そもそもプリント基板とは、電気を通さない絶縁体の表面にメッキされた銅の配線を形成し、その上に電子部品、例えばトランジスタや抵抗などの部品を配置して、様々な電子機器に利用するための電子回路です。
日本においては1936年に、現在様々な企業で活用されているプリント基板の原型となる基板に電子部品を配置した機器が、初めて利用された記録が残っております。(産業技術史資料データベース参照:https://sts.kahaku.go.jp/)
実際はプリント基板に載せられた回線も含めてプリント基板と呼び、これを単純に「基板」と呼ぶこともあるようです。

プリント基板の分類
そんなプリント基板ですが、下記の3つに分類されます。
・リジット基板
・フレキシブル基板
・リジットフレキシブル基板
リジットというのは日本語で「固い」という意味であり、フレキシブルは「柔軟性のある」という意味のため、大別して固い基板と柔らかい基板と複合型の3種類があるということです。
ただ、一般的には「リジッド基板」を「プリント基板」と総称することがほとんどです。
そのため、以下からはリジッド基板について、その分類と各メーカーがどのような棲み分けを行っているか解説をしてまいります。
リジッド基板の分類と各メーカーの棲み分け
リジッド基板には様々な作り方・材料・素材があるのですが、「有機材料」を使っている基板をひとまとめにしてプリント基板と呼ぶことが多いようです。
一方で「無機材料」を使った基板もあり、こちらはセラミック基板を指すことがほとんどです。
近年はEV自動車を中心にセラミック基板が使われるようになってきております。
リジッド基板のわかりやすい簡便的な分類として、
「プリント基板」
「セラミック基板」
の2種類があるとお考えください。
<ポイント>
リジッド基板には有機材料と無機材料の基板があり、有機材料を使った一般的なプリント基板と、無機材料を使ったセラミック基板に大別される。有機と無機の区別は、簡単には、炭素(元素記号C)があるかないかで区別できる。
有機材料のプリント基板メーカーの棲み分け
従来型、主にスマホで使っている有機のプリント基板ですが、こちらは「材料メーカー」と、「試作品の加工メーカー」・「量産品の加工メーカー」という形でそれぞれ役割分担されており、一気通貫で製造できるメーカーが無いのが現状です。
材料メーカー、試作品加工メーカー、量産品加工メーカーと、それぞれの特徴や強み弱みがあるのですが、現状においては特殊な技術を持つメーカーを除いては、それぞれの分野で、価格が一番の選ばれる決定要因となる業界になります。
材料・試作加工・量産加工のそれぞれの分野で棲み分けがされており、各工程の専業メーカーが存在しているイメージです。

無機材料のセラミック基板のメーカーの棲み分け
一方のセラミック基板ですが、こちらは近年少しずつ扱えるメーカーが増えてきております。
主にセラミック基板が使われるEV自動車における、世界の自動車用プリント基板(PCB)市場は、2019年の88億2000万米ドルから、2027年には155億米ドルに達すると予測されています。
(自動車用プリント基板(PCB)-世界の市場の見通し(2019-2027)参照:https://www.gii.co.jp/)
そのセラミック基板ですが、有機のプリント基板とは異なり、現状は工程ごとに製造メーカーが分かれておらず、一気通貫で企画・製造・納品まで行う企業がほとんどです。
現在、セラミック基板の企画・製造は大手メーカーが中心で、主な企業としましては、
京セラ
東芝マテリアル
デンカ
三菱マテリアル
などが業界内では知られたメーカーです。
材料の手配のみならず、加工や試作や量産も同一メーカー内で任せることができるため非常に重宝されています。
しかし、セラミック基板の技術が十分あり、試作や量産にも対応できる企業はまだまだ少ないため、注文が殺到し、納期遅れが発生していることも多くなっているようです。
関西電子工業はセラミック基板のメーカーです
弊社関西電子工業は、セラミック基板の試作での短納期対応を中心に、一気通貫でお客様へのご提供が可能なメーカーのうちの1社です。
プリント基板専業メーカーの特徴を活かして、設備の増強、短納期対応、お客様のニーズに合わせた製品のご提供を行っております。
納期面や、さらに一歩上の技術レベル(BEYOND5G 等)の企画・製造においてもご相談・ご提案が可能です。
セラミック基板の試作・企画・納期でお困りの際には、ぜひお気軽にご相談ください。お客様からのご相談を心よりお待ち申し上げております。